Luiz Bonfá Discography (日本語版)

安岡孝一・安岡素子

黒いオルフェ」の作曲者として知られるルイス・ボンファは、特異な奏法を持つギタリストでもある。彼の奏法は、ベース・和音・旋律をたった6本の弦と10本の指で同時に紡ぎ出すもので、音楽史上、他に類を見ない。ここではルイス・ボンファに関係するアルバムとダブル・シングルを、録音年代順に紹介することにする。なお、各ジャケットは、曲目・パーソネル・別ジャケへのリンクとなっている。合わせてごらんいただきたい。

luiz bonfá (1955)
Continental LPP-21 [10"LP]

1945年のデビュー以降、ボンファは多くのSPをブラジル・コンチネンタルに吹き込んでおり、ミュージシャンとしての名声を得ていたが、LPは本作が1枚目。この頃ボンファのテクニックはすでに完成されており、本作でもアコースティック、エレクトリックともに存分にボンファのギターを堪能できる。ピアノはアントニオ・カルロス・ジョビン、アコーディオンはジョアン・ドナートが務めており、現代の耳で聴いても、モダンな和音進行、特異なリズム感は衝撃的である。


...de cigarro em cigarro (1956)
Continental LPP-53 [10"LP]

ジョルジ・エンリキとの共演盤。アルバム全体の指向はムード・ミュージック路線であり、ボンファのギターもエンリキのオルガンも、そのセンでの演奏となっている。リラックスして聴くには当時いいアルバムだったのだろうが、アレンジの面でも非常に古臭く、ボンファの音楽性やテクニックを聴きたい向きには期待はずれのアルバムである。


NOITE E DIA (1956)
Continental LPP-3018 [LP]

エド・リンカーンとの共演で、ボンファにとってはブラジル・コンチネンタル最後の作品。当時エド・リンカーンはバリバリのジャズ・ピアノ路線であり、本作もピアノのアドリブ・ソロをガンガンやるジャズ・スタイルのアルバムとなっている。ボンファも基本的にエレクトリック・ギターでソロを取っており、ジャジーな一面を垣間見ることができる。これ以降のアルバムでは、ボンファのエレクトリック・ギターはほとんど録音されていない、という点でも貴重な1枚。


MEIA-NOITE em COPACABANA / Dick Farney (1956)
Polydor LPNG 4004 [LP]

ディック・ファルネイのブラジル・ポリドール録音集。元々は複数のSPに収録されていたものを、1枚のLPにまとめたものである。ボンファは12曲中2曲に参加しており、いずれもファルネイとのデュオである。うち1曲ではファルネイのピアノも聴けるが、それよりはむしろ、ボンファのガット・ギターのみをバックに歌うファルネイを楽しむ1枚である。


EDU N.o 2 (1956)
Rádio 0036-V [10"LP]

エデュ・ダ・ガイタのブラジル・ハジオでのセカンド・アルバム。ボンファはB面の4曲でエデュと共演しており、デュオあるいはパーカッションを加えたトリオ構成である。超絶技巧ともいえるエデュのハーモニカに対して、ボンファのガット・ギターは一歩も引かず、互いに火花の飛び散るような演奏を繰り広げている。


ORFEU DA CONCEIÇÃO / Antônio Carlos Jobim (1956)
Odeon MODB-3056 [10"LP] EMI Brasil 379977 2 [CD]

ジョビンと共にブラジル・オデオンに移ったボンファは、ジョビンのミュージカルの初演にゲスト参加している。このミュージカルこそ、のちの「黒いオルフェ」の原作「聖母懐胎祭のオルフェ」である。本作はこの「聖母懐胎祭のオルフェ」のハイライト曲を収めたものであり、ホベルト・パイーヴァのヴォーカルもさることながら、ジョビンのピアノとボンファのガット・ギターのコラボレーションが必聴。


Alta Versatilidade (1957)
Odeon MOFB 3003 [LP] 東芝EMI TOCP-50636 [CD]

オデオンでの初のボンファ名義アルバム。米キャピトルからBRAZILIAN GUITARの名で別ジャケで出ており、日本盤CDもそちらのジャケットになっている。この頃のボンファは作曲・演奏ともに非常に充実しており、全曲でガット・ギターの可能性をトコトン試している。結果として、ブラジルのバトゥカーダからオーケストラをバックにしたスタンダード曲、さらにはフラメンコまで演奏してみせるという、幅広い構成の1枚となっている。


VIOLÃO BOÊMIO (1957)
Odeon MOFB-3014 [LP]

ボヘミアン・ギターという題名の通り、あまりブラジル的リズムを前面に出さず、旋律中心のギター曲で構成されている。ただし、曲そのものはボヘミア風でも何でもなく、ボンファ自身のオリジナル、ヴィニシウス・ジ・モライス、ノエル・ホーザなどブラジル作曲家の、それもミディアム・テンポの曲ばかりであり、かえってチグハグな感は否めない。全体にリラックスした雰囲気だが、メリハリに乏しい1枚である。この録音の後、ボンファは初渡米の途に着く。


ritmos CONTINENTAIS (1958)
Odeon MOFB-3020 [LP]

初渡米から帰ったボンファが吹き込んだ1枚。A面では、アメリカで仕入れてきたと思われるジャズ・スタンダード曲を、メドレー形式で演奏している。これに対しB面では、ボンファ自身のオリジナルやアリ・バホーソなどの曲を、パーカッションやベースのみのバックで演っており、この対比がなかなかに面白い。ジャケットによればダンス用とのことだが、A面で優雅に踊るもよし、B面でリズミックに躍るもよしである。


BONFAFÁ (1958)
Odeon MOFB-3047 [LP]

ファファ・レモスとの共演盤。ボンファのギターとレモスのバイオリンは音色が非常にマッチしており、エド・リンカーンのベース、ユーゴのドラムスとあいまって、上質のヨーロピアン・ジャズといった趣きの1枚である。ジャズ・スタンダード曲とブラジル作曲家の曲とが、ほぼ交互に並べられており、ボサ・ノヴァとはまた違う形で、ブラジル音楽とエレガンス・ジャズとの融合に成功している。


LUIZ BONFÁ e SILVIA TELLES (1958)
Odeon BWB-1040 [7"EP]

シルヴィア・テリスとの共演盤で、ブラジル・オデオンからの4曲入りダブル・シングル。4曲全曲がボンファのオリジナルであり、全曲でボンファのギターをバックにしたテリスのヴォーカルが聴ける上、1曲はデュエットである。ミディアム・テンポの曲を前に、ボンファのギターは冴えわたっているが、シルヴィアのヴォーカルは直前のアルバムSilviaに比べるとややクールさを欠いており、評価が分かれるところだろう。


ORFEU NEGRO (1958)
Philips 432.387BE [7"EP] 日本フォノグラム PHCE-4023 [CD]

1959年の映画「黒いオルフェ」のサウンドトラック。ボンファは5曲を演奏しており、そのうち2曲はアゴスティーニョ・ドス・サントスとエリゼッチ・カルドーゾのための伴奏として録音されたものである。ただしサントスはホベルト・メネスカルのギター伴奏で録音をおこなってしまったため、1曲はカラオケのまま映画に使用され途中の歌の部分だけギタリストが違っている。また、もう1曲のカルドーゾの歌は映画には使われていない。


meu querido violão (1958)
Odeon MOFB 3076 [LP]

ブラジル・オデオンでの4枚目のボンファ単独名義アルバム。ペドロ・ドス・サントスのパーカッション相手のインストルメンタルという形式で全曲が綴られているが、ジャズ・スタンダードと自作とを並べた選曲の良さが幸いして、ブラジルと欧米の香りがうまく調合された、オシャレな仕上がりの1枚となっている。この録音の後、メリー・マーティンとのコンサート・ツアーのため、ボンファは再び渡米している。


¡amor! (1959)
Atlantic SD 8028 [LP] Collectables COL-CD-6160 [CD]

メリー・マーティンとのコンサート・ツアー終了直後の米アトランティック録音。ジャケットによれば、当時マーティンのバックで演奏した曲が多く含まれているとのことである。ボンファのオリジナル曲が多く収められているが、ブラジル的リズムのものはほとんどと言っていいほどなく、カウボーイ・ソング風のものからスタンダード曲まで、アメリカ人好みの曲調のもので占められている。


o violao de Luiz BONFA (1959)
Cook 1134 [LP]

「黒いオルフェ」の作曲者として一躍ボサ・ノヴァ・ブームの寵児となったボンファの米クック録音。全曲ボンファのソロで、ジャケットによればクックはリオにNagra (ダイレクト録音のテープレコーダ)を持ち込んで録音したとのことである。ボサ・ノヴァ・ブームの影響か、このアルバムではボンファの弾き語りも何曲か楽しめるが、やはり特筆すべきはボンファのソロ・ギターの凄さだろう。


SOLO IN RIO 1959 (1959)
Smithsonian Folkways SFW CD 40483 [CD]

スミソニアン博物館にクックが寄贈したマスターテープを基にして、2005年にスミソニアンが発表したCD。結果的にはo violao de Luiz BONFAに14トラックを追加したものとなっている。31トラック全曲がボンファのソロ・ギターあるいは弾き語りであり、別テイクと聞き比べていくと、ボンファのギター・フレージングがどのように構成されているかを発見できる。ボンファのギターの真髄を知りたい向きには必聴の1枚。


A VOZ E O VIOLÃO (1960)
Odeon MOFB 3144 [LP]

ボサ・ノヴァ・ブームまっさなかのブラジル・オデオン録音。ボサ・ノヴァとは違う形でブラジルのリズム感を表現しようとするボンファのギターが、全曲で楽しめる。また「黒いオルフェ」の2曲をインストルメンタルの形で再演しているが、リズムがよりダイナミックになっている点が非常に面白い。なお、共演の女優兼歌手のノルマ・スエリは、12曲中7曲で歌声を披露している。


PASSEIO NO RIO (1960)
Odeon BWB 1151 [7"EP]

ヴァリグ航空のコマーシャル用に製作された、4曲入りダブル・シングル。全曲がボンファの旧作で、表題曲はヴァリグ航空のテレビコマーシャルに使用された。「黒いオルフェ」では、ボンファのヴォーカルを聴くことができる。B面の2曲はA VOZ E O VIOLÃO (1960)meu querido violão (1958)からのシングルカット。


PERY RIBEIRO (1961)
Odeon 7BD-1011 [7"LP]

ペリー・ヒベイロとの共演盤で、オデオンからの4曲入りダブル・シングル。A面の2曲は、映画「Pedro e Paulo」のためにボンファが書き下ろしたサンバとマルシャ。B面ではボンファのソロ・ギターをバックに、ヒベイロがボンファの新曲と旧作を歌っている。ここでのボンファは伴奏に全く徹しておらず、あらゆる技を繰り出してくるが、ヒベイロも負けじと歌い切っているのが素晴らしい。


luiz bonfá (1961)
Odeon 7BD-1017 [7"LP]

オデオンからの5曲入りダブル・シングル。ボンファの旧作4曲と、ジャズ・スタンダード1曲が収録されている。全曲がインストルメンタルであるにもかかわらず、妙にポップなアレンジが、この時代のボンファのギターに全く合わない。リズムにも未消化の部分が目立ち、音楽的には完全に失敗作といえる1枚。


PERY RIBEIRO E SEU MUNDO DE CANÇÕES ROMÂNTICAS (1961)
Odeon MOFB 3272 [LP]

ボンファのソロ・ギターをバックに、ペリー・ヒベイロが延々20曲も唱い継ぐという、異色のアルバム。各曲の最初にヒベイロが題名を語るのは、プライベート・コンサート風でまあご愛嬌なのだが、1曲1曲が非常に短い上に、しっとりとした曲調のものばかりで飽きがくる。残念ながら、ボンファの魅力もヒベイロの魅力もあまり発揮されていない1枚である。


SÓCIO DE ALCOVA (1961)
RCA LCD-1007 [7"LP]

1961年の映画「Sócio de Alcova」のサウンドトラックで、ブラジルRCAからの4曲入りダブル・シングル。4曲ともボンファのオリジナルであり、オルガン・トリオをバックにしたボンファのギターが堪能できる。ニセア・マルティンスが4曲中2曲でヴォーカルを披露しており、それがそのまま映画のテーマ曲として用いられている。


O Violão E O Samba (1962)
Odeon MOFB 3295 [LP] EMI Brasil 541823 2 [CD]

のちのボッサ・トレスをバックに、ボンファがブラジル・オデオンに吹き込んだインストルメンタル・アルバム。ただしルイス・カルロス・ヴィーニャスは、ピアノではなくパーカッションを担当している。ボンファのギター・テクニックを、サンバのリズムと共に存分に聴けるアルバムであり、曲目も、ボンファ自身のオリジナル、アリ・バホーゾ、アロルド・バルボーザなどブラジルのものばかりである。米エピックからはSOFTLY...の名で別ジャケで出ている。


COPACABANA PALACE (1962)
Derby DB 5022 [7"EP]

1962年の映画「Copacabana Palace」のサウンドトラック・シングル。ジャケットからもわかる通り、A面はボンファのギターをバックにノルマ・ベンジェルのヴォーカルである。B面はボンファのギターとハミングが聞けるが、映画自体のバカバカしさに較べ、サウンドトラックは非常におとなしいものになっている。


LE ROI DE LA BOSSA NOVA (1962)
Fontana 680.228 ML [LP] Universal Music France 0602498324769 [CD]

1964年の映画「Santo Módico」のサウンドトラック録音のためパリに来ていたボンファが、仏フォンタナに残した1枚。衝撃的なジャケットだが、米フィリップスからの再発盤では微妙に手の形が異なっている。ボンファのオリジナルおよびマリア・トレードとの共作で全曲が占められており、うち6曲でボンファのヴォーカルが楽しめる。ボンファのギターはここでも非常に好調だが、バックの微妙なリズム感のズレが気になるところ。


BOSSA NOVA NO CARNEGIE HALL (1962)
Audio Fidelity AFLP 2101 [LP] Audio Fidelity AFCD 82536 [CD]

カーネギーホールで催された「世紀のボサ・ノヴァ・コンサート」のライブ録音。ボンファの演奏は2曲が収録されており、1曲はソロ・ギター、もう1曲はアゴスティーニョ・ドス・サントスの歌伴で、オスカル、イコのカストロ・ネヴィス兄弟、ホベルト・ポンテス・ジアス、エンリ・ウィルコックスと共にバックを務めている。ソロ・ギターの方はまずまずの演奏。


LUIZ BONFA Composer of Black Orpheus Plays and Sings BOSSA NOVA (1962)
Verve V6-8522 [LP] ユニバーサル UCCV-3015 [CD]

「世紀のボサ・ノヴァ・コンサート」の後、カストロ・ネヴィスのカルテットと共にアメリカに残ったボンファは、クリード・テイラーに請われてヴァーヴに録音を残している。最初の1枚が本作であり、2曲を除く11曲がボンファのオリジナルである。A面はボンファのヴォーカル、B面はボンファのギター・テクニックを存分にフィーチャしたインストルメンタルというのも、ナカナカに心憎い演出となっている。


LE ORE DELL'AMORE (1962)
C.A.M. CEP. 45-102 [7"EP]

1963年の映画「Le Ore dell'Amore」のサウンドトラックで、イタリアCreazioni Artistiche Musicaliからの4曲入りダブルシングル。A面の2曲は、なんとLUIZ BONFA Composer of Black Orpheus Plays and Sings BOSSA NOVAのトラックをそのまま使い回したものであり、それがそのまま映画でも使われたのだから、驚きである。B面のソロ・ギター2曲は、映画のための録り下ろしである。


CATERINA VALENTE e LUIZ BONFÁ (1963)
London LLN 7090 [LP] ヴィヴィド・サウンド VSCD-9204 [CD]

「歌う通訳」カテリーナ・ヴァレンテとの共演盤。当時ボンファもヴァレンテもペリー・コモ・ショーにゲスト出演しており、そこでの共演が本盤誕生のきっかけとなったが、このアルバム自体はドイツでの録音であり、ブラジル・オデオンからの発売である。ボンファのオリジナル曲を、全曲ヴァレンテがポルトガル語で歌い継ぐ。アディ・フロールのアレンジもツボを押さえていて、ボンファ、ヴァレンテの両方の魅力を存分に楽しめる1枚である。


CATERINA VALENTE CANTA LUIZ BONFA (1963)
Decca LKI 4703 [LP]

「歌う通訳」カテリーナ・ヴァレンテとの共演盤。前作CATERINA VALENTE e LUIZ BONFÁの歌詞を、全てジョルジョ・カラブレーゼ作のイタリア詞に置き換えたイタリア・デッカからのアルバムである。ボンファのギターもアディ・フロールのオーケストラも、前作と全く同じトラックが使用されており、歌詞がポルトガル語からイタリア語に変わっていることと曲順が変更されていること以外、全く同じアルバムであると言っていい。


JAZZ SAMBA ENCORE! (1963)
Verve V6-8523 [LP] ユニバーサル UCCV-3014 [CD]

ボンファのヴァーヴにおける2枚目の録音。共演相手はアントニオ・カルロス・ジョビンと、当時ヴァーヴ専属でボサ・ノヴァ・ブームに乗ろうとしていたスタン・ゲッツで、ゲッツにとってはJAZZ SAMBABIG BAND BOSSA NOVAに続く3枚目のボサ・ノヴァ録音である。ただし本作は、ジョビンやボンファの曲を下敷に、ゲッツとボンファがアドリブ・ソロを交互に取るという、あくまでジャズ・スタイルのアルバムであり、しかもソロのデキも今一つである。


Recado Novo De LUIZ BONFÁ (1963)
Odeon MOFB 3310 [LP] 東芝EMI TOCP-50289 [CD]

ブラジル・オデオン録音で、全曲がボンファのヴォーカル入りという異色作。12曲中8曲がマリア・トレードとの共作であり、残りはボンファ自身の古いオリジナル曲とルイス・アントニオの曲である。オーケストラをバックに歌うボンファは、センスの良さと優雅な味わいとを聴かせてくれる。ただし、ボンファのギター・テクニックは、ここではあまり披露されておらず、あくまで作曲家としてのボンファと、そのヴォーカルとを楽しむ1枚である。


luiz bonfá (1963)
Odeon 7BD-1088 [7"LP]

オデオンからの4曲入りダブル・シングル。O Violão E O Samba (1962)Recado Novo De LUIZ BONFÁ (1963)でのアルバム未収録曲を、まとめて1枚にしているが、ヴォーカルは入っていない。Recado Novo De LUIZ BONFÁ用に録音された2曲は、オーケストラがあまりに大仰で、ボンファのギターの魅力が全く伝わってこない。このシングルも作曲家としてのボンファを楽しむ1枚だろう。


VIOLÃO BOÊMIO vol.2 (1963)
Odeon SMOFB 3360 [LP]

オデオン最後のアルバム。パーカッション相手のインストルメンタルという形式で、ボンファのギター・テクニックを全曲で堪能できる。ただ、曲目がミディアム・テンポのものに偏っている上、もの凄いテクニックをそれとは分からないようにサラリと弾いてしまっているため、全体のインパクトはむしろ弱くなってしまっているのが少々残念。どちらかと言えば、プロのギタリストが聞き惚れるタイプのアルバムだといえる。


RIO / Paul Winter (1964)
Columbia CS 9115 [LP] ソニー SRCS 9664 [CD]

リオの建都400年祭を訪れたアルト・サキソフォニストのポール・ウィンターが、ボンファ、ホベルト・メネスカル、タンバ・トリオと録音したアルバム。当時まだアメリカでは紹介されていなかった曲を中心に録音をおこなっている。ボンファは2曲を提供するとともに、それら2曲の録音にタンバ・トリオと共に参加しているが、演奏のデキは今一つ。ただし、アルバム全体としてのデキはまずまずで、アメリカのミュージシャンによるボサ・ノヴァ・アルバムとしては上ランク。


THE GENTLE RAIN (1965)
Mercury SR 61016 [LP] ユニバーサル UICY-93062 [CD]

1966年の映画「The Gentle Rain」のサウンドトラック。当時ボンファは、エウミール・デオダートのオス・カテドラティコスでのアレンジ手腕を非常に高く買っており、プロデューサーのボビー・スコットの反対にもかかわらず本作のアレンジを全てデオダートに任せ、全曲をサンパウロで録音している。デオダートにとっても初のストリング・アレンジであり、結果として、ボンファのアルバムと言うよりは、デオダートのカラーが色濃く出たアルバムとなっている。


QUINCY PLAYS FOR PUSSYCATS / Quincy Jones (1965)
Mercury SR 61050 [LP] 日本フォノグラム PHCE-4018 [CD]

「The Gentle Rain」を忘れ切れなかったボビー・スコットは、クインシー・ジョーンズのレコーディングにボンファを招いて、自らのピアノとアレンジ(ただしボンファのギターはあくまでバックに徹するアレンジ)で2曲を録音している。それら2曲が収録されているのが本盤であり、日本盤CDでも他の曲には異同があるものの、これら2曲は収録されている。


The Shadow Of Your Smile / Astrud Gilberto (1965)
Verve V6-8629 [LP] ユニバーサル UCCV-3007 [CD]

アストラッド・ジルベルトの米ヴァーヴでのセカンド・アルバム。ボンファは5曲に参加しているが、契約の都合かクレジットはない。基本的にアストラッドのアルバムであるため、ボンファも完全にバックに徹しており、ボンファの演奏よりは、曲そのものの珍しさ(「The Gentle Rain」のために作曲したもののヴォーカル版が3曲も含まれている)とアストラッドのヴォーカルを聴くための1枚である。


BRAZILIANA (1965)
Philips PHS 600-199 [LP] ヴィヴィド・サウンド VSCD-747 [CD]

米マーキュリー=フィリップスと契約したボンファは、活動の拠点をアメリカに移し、マリア・トレードとの共同名義でフィリップスに本盤を残している。全曲がボンファとトレードのオリジナル曲で、歌あり、デュエットあり、インストルメンタルありの、非常に内容の濃いアルバムである。ドラムにタンバ・トリオのエリシオ・ミリート、ピアノおよびアレンジにマーキュリーの音楽監督のボビー・スコットが参加しているのも見逃せない。


THE NEW SOUND OF BRAZIL / João Donato (1965)
RCA LSP-3473 [LP] BMGビクター BVCP-7324 [CD]

ジョアン・ドナートがクラウス・オガーマンとともに米RCAに残したアルバム。ギターは基本的にカルロス・リラが担当しているが、ドナートに請われたボンファが、リラの代わりに2曲だけ参加している。ただしこれらの曲では、ボンファはあくまでドナートのバックに徹しており、ボンファ自身のギター・テクニックは全く披露されていない。


THE MOVIE SONG ALBUM / Tony Bennett (1965)
Columbia CS 9272 [LP] Columbia CK 9272 [CD]

トニー・ベネットの映画曲集。ボンファはジョニー・マンデルに請われて2曲を提供しており、マンデルのアレンジもボンファのギターをフィーチャする形になっている。ただしこのアルバム自体は、ベネットが主題曲を歌っている映画「オスカー」(ベネットにとっては初出演の映画)のプロモーションを兼ねたものであり、あくまでベネットを聴くためのアルバムである。


THE BRAZILIAN SCENE (1966)
Philips PHS 600-208 [LP] Verve 0602517690790 [CD]

3年ぶりのボンファ単独名義アルバム。エリシオ・ミリートのドラムとハル・ムーニーのオーケストラとをしたがえたボンファは、ほぼ全曲で華麗なギター・テクニックを披露している。曲目は自作7曲とスタンダード5曲だが、ミリートをバックにしたスタンダード曲の解釈があまりに斬新なために、こちらの方が自作ではないかと勘違いするほどのデキである。それに対し、ムーニーのアレンジはボンファのリズム感を追いきれておらず、その点が残念な1枚。


POUR UN AMOUR LOINTAIN (1967)
United Artists 36.123 UAE [7"EP]

1967年の映画「はるかなる愛のかなたに」のサウンドトラックで、仏ユナイテッド・アーティスツからの4曲入りダブル・シングル。4曲ともボンファのオリジナル曲で、全曲でボンファのギターが堪能できる上、うち1曲ではボンファのヴォーカルも楽しめる。3曲でウラジミール・コスマがオーケストレーションをおこなっているが、後のコスマに較べると、ここでのコスマはやや凡庸である。


MARIA TOLEDO SINGS THE BEST OF LUIZ BONFA (1967)
United Artists UAS 6584 [LP] Céleste CMYK-6195 [CD]

エウミール・デオダートをニューヨークに呼び寄せたボンファは、早速3枚のアルバムのアレンジを彼に任せている。そのうちの1枚がマリア・トレード名義の本盤である。ボンファ自身はゲスト・ギタリストという形での参加となっており、基本的にバックに徹しているが、アルバム全体としては、デオダートのアレンジで洒落た1枚に仕上がっている。


LUIZ BONFÁ (1967)
Dot DLP 25804 [LP]

米ドットに移籍したボンファの移籍第一弾。アレンジは全面的にエウミール・デオダートに任せているが、プロデューサーのチャールズ・グリーンの意向もあってか、アルバムの方向性はイージーリスニング路線となっている。その結果、ボンファのギターもほぼイージーリスニング風であり、デオダートがオルガンを弾いている2曲を除いてほとんど楽しめない。マーヴ・グリフィン・ショーで共演したパット・カービーが、1曲だけゲスト参加している。


Steve & Eydie, Bonfá & Brazil (1967)
Columbia CS 9530 [LP] ソニー 32DP-790 [CD]

スティーヴ・ローレンス&イーディー・ゴーメのボンファ曲集。基本的にこの二人のヴォーカル中心のアルバムだが、全編でエウミール・デオダートのアレンジが冴え渡っており、随所で独特のキメとボンファのギターとがフィーチャされる仕掛けになっている。ローレンスとゴーメのヴォーカルも、ボンファの曲の解釈という点において抜群であり、全曲が文句なしのデキだといえる。


LUIZ BONFA PLAYS GREAT SONGS (1967)
Dot DLP 25825 [LP]

ドットでの2枚目のアルバムで、映画音楽ヒット曲集。「野生のエルザ」「ティファニーで朝食を」「ダイヤモンド作戦」「栄光への脱出」「世界残酷物語」「ドクトル・ジバゴ」「黒いオルフェ」「男と女」と盛りだくさんだが、いずれもギター・アレンジがイージーリスニング風であり、ギタリストがボンファである必要性は全くない。


ELVIS' DOUBLE FEATURES - Live A Little, Love A Little & THE TROUBLE WITH GIRLS / Elvis Presley (1968)
RCA 66559-2 [CD] BMGビクター BVCP-834 [CD]

エルヴィス・プレスリーが1968〜69年に主演した4つの映画のサウンドトラックEPを、1枚にまとめたCD。ボンファは映画「バギー万才!!」のサウンドトラックに参加しており、ボンファが作曲・演奏した1曲がこのCDに収められている。ただしあくまでエルヴィスのサウンドトラックであり、ボンファのギターは前奏以外ほとんど聴こえない。


BLACK ORPHEUS IMPRESSIONS (1968)
Dot DLP 25848 [LP] Bonfá Production BON 004 [CD]

ドットでの3枚目のアルバム。「黒いオルフェ」の2曲の再演を含め、ボンファが存分にその持ち味を発揮しているという点で、これまでの2枚とは明らかに異なった作りとなっている。曲目も、エウミール・デオダートの1曲を除いては、全てボンファのオリジナルであり、アメリカン・ポップス風のものからバイーアまで、ボンファの音楽性が前面に押し出されたアルバムとなっている。


BONFÀ (1968)
Dot DLP 25881 [LP]

ドット最後のアルバム。曲目はアメリカン・ポップスのヒット曲と、ボンファあるいはエウミール・デオダートのオリジナル曲がほぼ半々で、アレンジは全曲デオダートである。ただし、ボンファのギターはオリジナル曲以外ではほとんどフィーチャされておらず、曲によってはまるでバックバンドのギタリスト扱いである。ボンファのアルバムというよりは、デオダートのアレンジによるアメリカン・ポップス集だと理解すべき1枚。


MY WAY / Frank Sinatra (1969)
Reprise FS 1029 [LP] ワーナーパイオニア WPCP-3605 [CD]

フランク・シナトラは当初「黒いオルフェ」をエウミール・デオダートのアレンジで録音したが、そのデキにあまり満足せず、1週間後にボンファを招いて再録音をおこなった。この1曲が収録されているのが、本アルバムである。ただし最終的には、ドン・コスタのアレンジが前面に押し出される形でミックス・ダウンされたため、本アルバムではボンファのギターは全くと言っていいほど聴こえてこない。


I Got A Woman And Some Blues / George Benson (1969)
A&M SP-9-3025 [LP] ポリドール POCM-5014 [CD]

ジョージ・ベンソンがクリード・テイラーに連れられてCTIに移籍してしまったため、1984年まで15年間もオクラ入りしていたアルバム。ボンファは1曲だけの参加で、しかもクレジットはない。ただし、この1曲がベンソンとのギター・デュオであり、ボンファのアコースティック・ギターと、ベンソンのエレクトリック・ギターとがカラミあった上に、ベンソンのブルージーな歌声が乗っかるのである。いずれのファンも必聴の1曲。


The New Face of Bonfá (1970)
RCA LSP-4376 [LP] BMG Brasil 74321985412 [CD]

米RCAとの契約後、最初のアルバム。11曲全曲がボンファのオリジナルであり、しかも1曲を除いて全て新作である。録音は当初6曲がリオでおこなわれ、残り5曲と3曲への追加録音がニューヨークでおこなわれた。この結果、ブラジルの香りとイージーリスニング風のアレンジがミックスされているが、混ぜぐあいが少々足りない感もある。ボンファは11曲中8曲でジャケットに見える12弦ギターを弾いており、さらに1曲ではエレキ・ギターを弾いている。


sanctuary (1971)
RCA LSP-4591 [LP] Bonfá Production BON 005 [CD]

ボンファのRCA第2作。全曲ボンファのオリジナルで、1曲を除いて新作である。録音はニューヨークだが、前作よりブラジル色が濃くなっており、リズムやスキャットがキいていて踊れる1枚である。ボンファは12弦ギターとガット・ギターを曲調でうまく使い分けており、独特のリズムで押し寄せてくるが、ラストはブルースで締めくくる、というワケのわからないカッコよさ。なお、ボンファ・プロダクションのCDにはAlta Versatilidade (1957)から2曲が紛れ込んでいる。


INTROSPECTION (1972)
RCA FSP-297 [LP] BMG Brasil 74321872492 [CD]

無伴奏ソロ・ギターで全曲が構成されており、絶対音楽的な難解さを持つアルバム。このアルバムでのボンファは、ギターの響きそのものが持つ美しさを徹底的に追求しており、しかもその方向性がボサ・ノヴァでもイージーリスニングでもポップスでもなかったため、結果としてボンファの作品中もっとも取っつきにくい1枚となってしまっている。当然、このアルバムはレコード会社にも全く理解されず、ボンファはRCAとの契約を打ち切ることになった。


JACARANDA (1973)
Ranwood R-8112 [LP] Bonfá Production BON 001 [CD]

ボンファのビッグバンド・フュージョン路線第一弾。エウミール・デオダートのアレンジで、強烈なフュージョン色とフリー・ジャズの色彩を帯びたアルバムとなっている。ボンファのギターも随所随所でソロをとるというスタイルであり、ギターの響きよりは、これまでのアルバムとは全く異なるサウンド全体の指向を聴く1枚。ブラジルのソム・リヴレ盤は別ジャケとなっており、ボンファ・プロダクションからの再発CDもほぼそちらのジャケットである。


Manhattan Strut (1974)
キング Paddle Wheel KICJ 294 [CD]

ボンファのビッグバンド・フュージョン路線第二弾。最終ミックスを前にボンファがブラジルに帰国してしまったため、1997年まで23年間もオクラ入りしていた。全曲ボンファのオリジナルで、前作と同じく、ビッグバンドのサウンドをバックに、随所随所にボンファのギター・ソロが入るスタイルだが、レオン・ペンダービスのキーボード、スティーブ・ガッドのドラム、マイケル・ブレッカーのテナー・サックスにより、さらにカッコよく仕上がっている。


Burnier & Cartier (1974)
RCA 103 0109 [LP] BMGファンハウス BVCM-37313 [CD]

ボンファの甥のオクターヴィオ・ブルニエルがクラウディオ・カルティエルと組んだブルニエル・エ・カルティエルのデビュー・アルバム。ボンファは12曲中2曲に参加しているが、クレジットはない。ブルニエル・エ・カルティエルの息のあったヴォーカルとギターを楽しむアルバムであり、ボンファのガット・ギターはあくまで3本目のギターとしての彩りを添えるものである。


BONFA BURROWS BRAZIL (1978)
Cherry Pie CPF 1045 [LP] Bonfá Production BON 003 [CD]

オーストラリアのフルーティストであるドン・バローズとの共演盤。前作DON BURROWS AND THE BRAZILIAN CONNECTIONでブルニエル・エ・カルティエルと共演したバローズが、熱望して実現した共演である。ボンファ自身がアレンジし直したボンファ自身の名曲が13曲中9曲もあり、しかもボンファのガット・ギターが全曲で存分にフィーチャーされている。ギタリストとしてのボンファを楽しむなら、必聴の1枚。


FOR A DISTANT LOVE / Yana Purim (1986)
Estúdio Eldorado 992 295-1 [LP] アルファ 29B2-79 [CD]

引退同然の生活を送っていたボンファが、レコード・コレクターかつプロデューサーのアルナルド・ジステイロに引っ張り出されて、ヤナ・プリムの録音に付き合ったのが本盤である。ただし、ボンファが参加しているのは9曲中2曲だけであり、しかもそれら2曲での演奏のデキもあまり良くない。英ソネット盤はBIRD OF BRAZILの名で別ジャケになっており、日本盤CDもそちらのジャケットである。


NON STOP TO BRAZIL (1989)
Chesky JD29 [CD] チェスキー CJD-5 [CD]

音楽活動を再開し、ニューヨークとリオを忙しく往復し始めたボンファが、米チェスキーに残したインストルメンタル・アルバム。ジーン・ベルトンチーニが3曲に加わっている他は、基本的にカフェのパーカッションだけを相手にしたソロ・ギターが楽しめる。往時のギター・テクニックほどではないが、ボンファ自身の名曲を奏でるボンファは、さすがの貫禄と渋い味わいとを聴かせてくれる。


THE BONFÁ MAGIC (1991)
Caju 511.404-2 [CD] ビクター VICJ-8014 [CD]

ブラジル・カジュ録音で、当時68歳のボンファが未だ音楽的には衰えていないことを、世界に示したアルバム。新作と旧作がほぼ半々の構成となっており、しかも新作中5作はボンファのソロ・ギターである。他のトラックには、タヴィオ・ボンファ(オクターヴィオ・ブルニエルが改名)、ジーン・ベルトンチーニ、ジョタ・モラエス、エウミール・デオダートらが参加しており、ボンファのマジックを感じさせる仕上がりとなっている。


the brasil project / Toots Thielemans (1992)
Private Music 82101 [CD] BMGビクター BVCP-7461 [CD]

オスカル・カストロ・ネヴィスのプロデュースによるトゥーツ・シールマンスの「ザ・ブラジル・プロジェクト」の1枚目。ボンファは本盤では1曲だけの参加であり、ラストのジャム・セッションにも出ていない。しかもその1曲でのボンファもギターをほとんど弾いておらず、ボンファのギター・テクニックを期待する人から見れば、あまりに拍子抜けの録音だと言える。


the brasil project Vol.2 / Toots Thielemans (1992)
Private Music 82110 [CD] BMGビクター BVCN-714 [CD]

「ザ・ブラジル・プロジェクト」の2枚目で、ボンファに関しては、やはり1曲だけの参加である。全体の曲目としては、前作よりこちらの方が良い作品が揃っており、演奏のデキそのものはそう悪くないのだが、ボンファ自身の調子が良くないのか、リズム隊との相性が悪いのか、ボンファのギターは今一つである。トゥーツ・シールマンスのハーモニカを聴くためのアルバムだ、と割りきった方がいいだろう。


Here In My Heart / Kenny Rankin (1992)
Private Music 82148 [CD] ファンハウス FHCH-1033 [CD]

ケニー・ランキンの1997年のアルバムで、オスカル・カストロ・ネヴィスがプロデューサーの一人として名を連ねている。ボンファが1曲だけ参加していることになっているが、これは1992年の「ザ・ブラジル・プロジェクト」の別テイクであり、しかもランキンのヴォーカルは後からかぶせたものである。当然ボンファのギターはほとんど聴こえないし、その上ランキン自身の声の調子もすこぶる悪い。


ITHAMARA KOORAX SINGS THE LUIZ BONFÁ SONGBOOK (1996)
キング Paddle Wheel KICP-503 [CD]

イタマーラ・コーラックスのルイス・ボンファ曲集。14曲中12曲にボンファは参加しており、しかもそのうち5曲はコーラックスとのデュオ録音である。ただ、この頃のボンファは、他人とリズムを合わせるのが徐々に困難になってきており、何曲かではコーラックスの方がボンファに合わせているのがわかる。コーラックスの曲の解釈は抜群だが、過去のボンファの華麗なテクニックを知る向きには、聴くのがつらいアルバムかもしれない。


love dance / Ithamara Koorax (2000)
Milestone MCD-9327-2 [CD] ビクター VICJ-61138 [CD]

イタマーラ・コーラックスの2003年のアルバム。ボンファの最晩年の録音を2曲収録している。もはや幽玄の世界に入ってしまっているボンファのギターは、残念ながら音楽の体をなしていない。わずかな最後の輝きをそこに見たい人だけが、静かに聴くアルバムだろう。


ルイス・ボンファに関するメモ集
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