内容:韓国海印寺に所蔵されている八万枚以上にのぼる高麗大蔵経の木版全部を入力することが計画されている。
1995年のはじめに、韓国の巨大企業、三星の社長がこの計画にのってから、急に計画が猛烈なペースで進んだ。現在のところすでに高麗大蔵経の十二巻の入力が終わった。1996年3月までに全体の入力が終わる予定になっている。
入力場所はソウル、入力スタッフ35人。筆者が自分の目で確かめていないが、入力方法は独創的:高麗大蔵経の書体に似たフォントの作成後、フォント専門チームが次々必要な文字を作る。入力レベルのフォント統一判断の必要がなくなり、木版の文字をそのまま入力すればいい。必要な文字がなければ、★を入力し、イーサーネットでつながっている技術者がすぐに外字を作成する。チーム全体がネットワークでつながっているので、作成された外字がすぐ入力活動の役に立つ。
・タイ版のパーリ大蔵経全体(45卷、3000万字以上)。タイ語と、アルファベットによるパーリ語の両方。 ・70卷分の注釈と文献情報 ・仏典情報検索ソフト(BUDSIR、第四版)。 CDの出版直後、すでに200枚が売られた。印刷物のパーリ大蔵経全体を持っている施設はどれぐらいあろうか。1995秋にWINDOWSコンパチ検索ソフトが出版される予定である。
内容:1994年の学会で、日本インド学仏教学会がテキストデータベース開発を進め、同じ年に大正新脩大蔵経刊行会が日本インド学仏教学会と連係し、CDーROM版大正新脩大蔵経の計画を立てた。学会から顧問七名、研究編集委員十三名、出版委員二名、参与二名が参加し、文部省の科学研究費を受ける。入力がどれほど早く進むかはまだ不明。
本願寺出版社が最近ベストセラー『浄土真宗聖典−註釈版』(1985、1613頁)の電子ブック版をアナウンスした。57人の学者を委員とする浄土真宗聖典編纂委員会が約二年をかけて開発した電子ブックは浄土真宗の主な聖典(全部で47点)を含む。浄土三部経や、『教行信証』などの親鸞聖人の著作類、蓮如上人の『御文章』や『歎異抄』など、全て原文の意味を失わないように解りやすく読み下し、難解な用語に註釈を加えている。値段は9800円、フォーマット3.5インチのミニCD、1995年9月販売予定。
電子ブックは専用の電子ブックプレーヤで読める。かな漢字変換なしのソニー開発電子ブックプレーヤではかなの検索のみが可能である。フォーマットによって、電子ブックはパソコン上のCDーROMドライブでも使用可能。Ddwin(Windows用)のような検索ソフトを使えば、電子ブックリーダーよりもはるかに早い漢字検索も可能である。Macintoshのための電子ブック用検索ソフトSyokendaiもNIFTY-SERVEなどのネットワークで手に入りやすくなっている。
天台大師の1400年遺忌記念にあたって、大津市坂本市にある天台宗の叡山学院内天台宗典編纂所が天台関係の主な経典及び解説本を入力し、CD−ROM及びフロッピーの形で出版する予定である(担当:野本氏)。妙法蓮華経八巻及び天台三大部60巻の完成は1996年、その他の主な天台関係の著作は1998年予定である。
含まれるテキストの総字数は360万字。ほとんどのテキストは大正新脩大蔵経をもとにして入力される。データファイル形式はMS-DOS、外字整理方法は不明。
国際禅学研究所は1995年6月に世界初の中国仏典を含むCD−ROM(ZenBase CD1)を出版した。禅関係テキスト80点以上(JIS/Big5版)及びさまざまな電子テキスト・ツールや研究資料を含む(50頁参照)
1995年6月に禅ベースCD1が出版され(50頁参照)、ワールド・ワイド・ウェッブのインターネット・ホームページを開いた(55頁参照; 住所www.iijnet.or.jp/iriz/irizhtml/irizhome.htm)。
内容:『中華大蔵経』下編。歴代続蔵経及び新編入蔵仏典の入力及び電子出版。
中華大蔵経編纂局は1982年以来、漢文大蔵経の編集・出版を行っている。1994年までに、上編(全106冊)が完成、1996年中華書局によって出版予定である。現在、下編の編集や入力が行われている。1991年から1994年までに、約三百万字がGBコードで入力され、その内二百万字は印刷本のために利用される。