緊急シンポジウム:
近デジ大蔵経公開停止・再開問題を通じて人文系学術研究における情報共有の将来を考える(第二報)
2014年1月24日(金)9:30~16:30
京都大学時計台記念館百周年記念ホール
主催
京都大学人文科学研究所共同研究班「人文学研究資料にとってのWebの可能性を再探する」
プログラム
9:30-12:30
第一部:近デジ大蔵経公開再開・停止問題と人文系の学術情報流通
司会:永崎研宣・安岡孝一
- 永崎研宣
一般財団法人人文情報学研究所主席研究員。東京大学大学院情報学環特任准教授。SAT大蔵経DB研究会委員(技術担当)。国立国会図書館研究員。
- 安岡孝一
京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授
- 井上周一
弁護士[堺筋駅前法律事務所]
-
下田正弘
東京大学大学院人文社会系研究科教授。大蔵経研究推進会議議長。SAT大蔵経テキストデータベース研究会代表。日本デジタル・ヒューマニティーズ学会会長。
13:30-16:30
第二部:デジタル時代における人文系にとっての学術情報の共有
提題者
- 山田奨治
国際日本文化研究センター教授。著書に『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(2011/9/15)、『〈海賊版〉の思想‐18世紀英国の永久コピーライト闘争』 (2007/12/20)等。古事類苑デジタル化プロジェクトをはじめ、多数の人文学資料のデジタル化と分析に関わってきた。
- A.チャールズ・ミュラー
東京大学大学院人文社会系研究科教授。メーリングリストH-Buddhism管理者。Web上で共同編集される電子仏教辞典を監修者として20年以上運営してきた。
- 永崎研宣
上記参照。2005年より継続している大蔵経に関わるWebコラボレーションシステムの開発運用をはじめ、様々な人文系Webコンテンツの開発公開に関わっている。
- 壇俊光
弁護士[北尻総合法律事務所]。Winny弁護団事務局長。専門取り扱い分野「ITにおける消費者保護」「ITにおける刑事弁護」「ITと知的財産」等。
- 岡村久道
弁護士[英知法律事務所]。国立情報学研究所客員教授。著書に『著作権法 新訂版』(2013/4)他多数。
開催趣旨
長尾構想と呼ばれ、我国の文化・学術情報流通の将来を切り拓くと期待された国立国会図書館(以下、NDL)のデジタル化に関わる施策は、近代デジタルライブラリー(以下、近デジ)の大幅な充実や図書館向けデジタル化資料送信サービスの開始など、着々とその歩を進めており、国内外から寄せられる期待はますます大きくなりつつある。
このようななか、日本出版者協議会及び大蔵出版がNDLに対して『大正新脩大藏經』及び『南伝大蔵経』という二つの大蔵経のWeb公開についての停止の申し入れを行い、近デジで暫定的に公開停止措置がとられたことが、2013年7月12日、NDLより発表された。その後、2014年1月7日、前者の公開と後者の引き続きの公開停止措置が発表され、様々な議論を引き起こしている。
この問題は、単に著作権保護期間の問題だけでなく、人文系研究の学術成果の扱いに関わる様々な論点を含んでおり、また、学術出版をはじめとする学術情報流通の将来的な在り方に関わる問題にもつながっている。本シンポジウムでは、人文系の研究において成果を公開し共有していくにあたり、近デジ大蔵経公開問題において改めて認識された諸問題について、人文学研究にとってのWebの可能性という立場から検討したい。
参加申込
当日配布資料をご用意するために、参加者数を把握する必要がございます。件名を「大蔵経シンポジウム参加希望」としたメールにお名前とご所属等を記載して、前日までに daizokyo2014 _at- kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp (_at-を@に入れ替えてください)にお送り下さい。